機能神経学のコンセプト

神経機能を維持するには、ニューロンへの「適切な刺激、十分な酸素とグルコース供給」が必須です。機能神経学では、これらの要件の不足による神経機能の低下を問題としています。そして多くの症状が、機能低下した神経を賦活することで改善できる、というのが機能神経学の基本的なコンセプトです。

 

また、大きな神経機能の問題として「ヘミスフェリシティ(大脳半球アンバランス)」を挙げています。例えば、左側の関節にフィクセーションがあると、そこからの求心性刺激の量が少なくなり、その信号を受けている右大脳皮質のサバイバビリティが低下するため、次第に機能低下を起こし、左脳との機能的なアンバランス状態に陥ります。それが、「右脳ヘミスフェリシティ」です。

 

大脳皮質は、生命維持機能を司る神経システムが多数存在する脳幹と連絡があります。また、大脳基底核や対側小脳と連絡しあって運動制御を行います。さらに情動やそれに伴う活動を調整する辺縁系とも連絡しているため、ヘミスフェリシティがあると、身体全体に影響を及ぼします。その結果、さまざまな兆候が現れることになります。それを捉えることで、大脳にどんな機能的かたよりが起きているのかを探り出すのが機能神経学の診断となります。

 

機能神経学の治療は、主にヘミスフェリシティ側の大脳半球を適切な刺激を使って活性化させることで行います。機能神経学の治療で使う刺激には、関節・筋固有受容器からの体性感覚刺激や、眼球運動、音、光などの刺激があります。また、鏡に映した手を見ながら運動するなど、さまざまな刺激をアプリケーションとして利用して脳を活性化させます。

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